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フルタイム1年目

8月からUpstate NYにあるSUNY Plattsburghにおいて、アシスタントアスレチックトレーナーとして仕事を始めることになった、この年

ATのフルタイムとしては初めての仕事
東海岸での生活
Division IIIというレベルでの活動
と初物尽くしのスタートでした

振り替えれば多くのことを感じ、考えた半年間だったようにおもいます
フルタイムとしての仕事、と言う意味では今まで行ってきた事と大差ないというより、まったく代わりがないのですぐに順応できました

東海岸での生活、と言う意味でいえばここPlattsburghは相当な田舎なので日本のものを手にする機会というのがあまりない(NYCまで5-6時 間のドライブ、遠くはないけど気軽に行ける距離ではない)のが難点ですが、それ以外はさほど大変な事はありませんでした。冬の寒さは厳しいですが、比較的 すぐに受け入れる事が出来ました。ただ冬場の運転には注意が必要ですし、なかなか外に行く気もなくなりますがそれほど順応するのに苦はありませんでした

恐らく最も自分の中で消化していくのが大変だったのが「Division III」というレベルで働くこと、だったかもしれません
選手、という意味ではもちろんプロやDivision Iの選手とは違います
体もできていないし、能力的にもさほど高くはありません
ただ、そのことに戸惑ったり、がっかりしてやる気が削がれることは全くと言っていいほどありませんでした

むしろ、体ができている選手たちではなかなか起こらないような怪我があったり、 また逆に、いままで手入れされたことがないので、トリートメントに対する反応が非常によく、それが当人たちのやる気に繋がったりもしていたので それはこちらも嬉しくなるし、面白い所でした

ただ、やはり上のレベルとは違い、スローペースで気の張り方も緩いところがあるので そこには戸惑いが正直なところありましたし、今でもあります
ただそれは、自分で勉強していく時間をとれる、ということでもあり、一歩足をとめて今後の事を考える機会をくれたので 一概には悪いこととは言えないのかもしれません これは頭を切り替えて、今後も自分のための時間をつくり、利用していくつもりです

新しい場所で、新しい仕事を始めたがゆえに新しい出逢いもありました
たいていの出逢いはよいものであるのですが、中には残念な出逢いもありました
それが結局自分の足をとめて、今後の方向性を考えるきっかけになったので考えようによっては悪いものではなかったのですが
とりあえずの答えが出るまでの間は、あまり良い気分にはなれませんでした

それはこのレベルで出会ったアスレチックトレーナー達のこと
もちろん、自分より知識も技術もあり、人間性豊かな人たちにも多く出会いました
ただ、それ以上にプロ意識に欠けるアスレチックトレーナー達にこれほどの短い時間に出会うか、という位出会いました

例を挙げればきりがないのですが
・肥満で怠け者、しかし口だけは達者なAT。ATとしての知識や技術も疑問符
・選手を常に見下しているAT
・選手との一線を守らずプライベートでも時間をすごし、体の関係を持つAT
・基本的な技術や知識もなく、向上心もないAT

などなど

これはショックでした
しかもこの人たちはかなり若い部類のAT達
さらには、このような人たちでも、クビになることなく自分よりずっと高い給料をもらっている
それはつまり、そのような人たちでもやれる・やり続けられる仕事ということ。少なくともこのレベルでは。

それはなかなか受け入れられませんでした
とはいっても現実はそういうものであり、この人たちがかわるわけでもないし、この人たちはそれでこれているのだから周りがかわるわけでもない

だとすると自分が選ぶ道はここから抜け出すこと

選択肢は3つ
・こういう人たちでは恐らくかかわれないであろう高いレベルにATとしていく
・Strength & Conditioningに転身
・その他の治療家としての道を選ぶ

あまりにも忙しかったり、理想の環境ではこういう考えは生まれなかったと思う
「本当に自分は何をしたいのか」
それを考えるきっかけを与えてくれた事には感謝です

いますぐに、というわけではないけれど最終的に自分は「その他の治療家としての道」を選ぶことになるとおもう
そ の間には色々な葛藤や迷いがありました
より大きな舞台に足を進めていく仲間達をみて焦る自分も正直いました

上に書いたUnprofessionalな人たちとの出会いも考え始めた一因ではありましたが
決してそれだけではなく、日々の怪我への対処をとりあえずして、その日の練習、試合、もしくはシーズンをやりすごさせる
という事に関しても、もう少し時間をかけて全体をみたいという気持が強くなってきているというところもあります
板金のように直すのではなくて、きちんと治すということに

きっかけは色々だったけれど本当に自分が何をしたいのか、心の声に耳を傾ける時間があったのは良かったと思います
まだまだこれからどうなるかはわからないし、その方向に動いたら動いたでまた今とは違う悩みや葛藤も生まれるだろうけれど
動かなければ何も変わらない
だからこれからも動いていこうと思う

そんな1年目、というか半年でした

 
   
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